レプリカボディを作る 第一章

私一番のお気に入り、京商トマホーク。(以下トマ)
このHPに写真を載せているトマボディはどれも、このHPを公開する前に塗装した物がほとんど。
今見ると塗り直したい物が多いんですよね。(要はヘタッピ)
ところがトマが発売されてからかれこれ20年、最近の人気ぶりも手伝ってスペアボディなんてそうそう手に入りません。 オークションでも高値の一途。
そんな時、 手持ちの未組み立てキットをふと開いてビックリ。なんとボディがアメ色。(大汗)
他のキットをチェックするとセーフ。パッケージは日焼けしてないのに、明らかにボディは劣化してます。これでは白で塗装してもアメ色になっちゃいます。
この当時のポリカの材質は現在と多少異なるようで、劣化も伴って柔軟性が無いのが多いです。ちょっとした事でパキパキ割れちゃう感じ。このボディも今にも「ピキッ!」と割れそう。まともにカットできるかどうか…。
心配になり組み立てたトマのボディを全てチェックすると、ボディマウントのビス部分に細かいクラックが入っているヤツを発見。ビスの締めすぎが原因かもしれませんが…。

あせった私は無謀にもトマボディの複製を思い付きます。
(旧車マニアなら誰でも思い付く事ではありますが。)

無いなら作るしかない。実車のレストアでも古くて無いパーツは作りますから。
田宮模型は古い金型を破棄せずに持っていてくれるので、再版の可能性もあります。事実モデラーズギャラリーで何種類か再版されてます。私の旧車はこれで相当助けられました。
しかし残念ながら京商のボディ金型は破棄されてしまっていると聞いています。 もう手に入らないのです。

真空成型はもちろん専門業者さんまかせ。とりあえず原型を作ればなんとかなると勝手に思い込み、大して調べもしないで原型の製作を開始。(いいかげんです)
ところがこの原型製作が失敗の連続。使い慣れないシリコンやらウレタン樹脂で大パニックとなりました。

←とりあえず木枠を制作。作業の進め方をぼんやり考える。背景が汚いのは塗装ブース兼作業スペースのちゃぶ台ゆえご勘弁を。

最初に、どのように複製原型を作るか、無い知識を絞って考えてみる。
原型の材料はウレタン樹脂しか考えられない。手持ちの新品ボディから雌型を作り、そこへウレタン樹脂を流し込む事に決定。木型が彫れる訳でもなく、ある程度精巧な複製を考えるとこの材質がベストだろう。注意点としては、ウレタン樹脂は硬化時に高温になるという事。単純にスペアのポリカボディへウレタン樹脂を流しても、硬化熱でボディが歪んでしまうのは明らか。
最初にポリカボディを木枠に入れその回りに石膏を流し補強。そこへウレタン樹脂を流し込み複製、という作戦に決定。ウレタン樹脂注型後に石膏の型をぶち壊すという筋書き。
※シリコンは高価なのでなるべく使わないようにしようとがんばったものの、今考えるとこのような作業で素材をケチってはいけません。

↑ウレタン樹脂の節約と複製後の重量を少しでも軽くする為、バルサ(これが後に大失敗へ…)でかなりいいかげんな中型?を製作。この時はまだ写真撮る余裕アリ。

↑ボディを木枠に吊す。 ↑石膏を流す!石膏が足りなくなって、あわてて発泡スチロールを突っ込む。(汗)
↑石膏を流し終わった所。 ここで綺麗に石膏が流れなかった事が発覚。屋根付近で空洞だらけ。やっぱりシリコン流せば良かった。 このままスペアボディへウレタン樹脂を流す予定だったが…。 ↑面倒になって、とりあえずやってみる。バルサの型をセットして、隙間からウレタン樹脂を流す。ところが…このバルサが大失敗!バルサは大量に空気を含んでいて、この空気がウレタン樹脂流し込みで大噴出!!

結局大失敗!
失敗した写真が無い所が私の余裕の無さを物語ってマス。失敗した原因はバルサから噴出した空気が上面に抜けず、なぜか下面に流れ込み窓枠やエッジ部分の大半に空洞が出来た、という物。なぜ空気が上に流れず(上にも流れてはいたのだが)、下面に帯の様に流れたのかは不明。ここで凹んで原型制作を1週間放置。このまま続けるか、止めるか考えるモンモンとした日々を過ごす。
第二章へ続く
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